2024年7月15日のGold-TV netは、コモディティーインテリジェンスの近藤雅世さんが今週の展望と注目ポイントを、独自の視点で徹底的に解説します。
【金】2024年の金融市場~FEDの政策と金ETFの動向
- 直近の金価格
- 7月12日のFED Watch
- 米消費者物価比数は前月比で▲0.1%下落
- 6月の世界の金ETF by World Gold Council
- FED Watch by CMEの予想:2024年7月31日のFOMCで利下げされると予想するのは6%で、94%は据え置きと予想。9月18日のFOMCで利下げされると予想するのは96%で前週から+18%増加。11月7日のFOMCで利下げされると予想するのは100%で前週から+14%増加。12月18日以降のFOMCで利下げされると予想するのは100%。
- 米消費者物価指数(CPI):2024年6月のCPIは、前月比で▲0.1%と予想外に下落した。これは2020年5月以来約4年ぶりのことで、ディスインフレが確実に軌道に戻ったことが示された。
- 世界の金ETF:2024年6月の持続的な資金流入により金ETFの上半期の減少は縮小。5月以来の好調な資金流入を受け、世界の金ETFは2ヵ月連続で資金流入を記録。
- 金取引量:6月の各金市場の取引量は緩やかに減少したが、店頭取引と先物取引が非常に活発であったため、上半期の平均取引量は2023年の水準を大きく上回っている。
- 上半期の金ETF:上半期の累計では、世界の金ETFは67億米ドルの流出となり、2013年以来最悪の上半期となった。しかし、最近の資金流入と金価格の大幅上昇に牽引され、総資産は前年同期比+8.8%増加した。
【白金】広州先物取引所にプラチナとパラジウムが上場&商品先物取引でリスクヘッジする方法
- 直近のプラチナ価格
- 広州商品取引所でプラチナとパラジウムが上場
- 商品先物市場におけるヘッジのやり方
- 広州先物取引所の上場:中国の広州先物取引所(GFEX)が中国で初めてのプラチナ・パラジウム先物取引上場を公表した。上場商品は、プラチナとパラジウムのインゴットとスポンジである。
- スポンジ:スポンジは工業用のプラチナ材料で、溶解しやすいように粒状の形状をしている。
- 中国のプラチナ消費:中国は現在、世界最大のプラチナ消費国であり、プラチナ価格のリスクヘッジのために先物取引が求められている。
- 新商品:人民元建ての新商品は中国初のプラチナとパラジウムのデリバティブであり、世界の白金族金属(PGMs)市場において重要なマイルストーンとなる。
- 新しい先物契約:新しいプラチナとパラジウムの先物契約は、特に中国の国内市場参加者だけでなく、国際的な市場参加者にとっても、両金属の購入方法、取引方法、価格リスクの管理方法に大きな変化をもたらす。
- 新商品の特徴:新商品の主な特徴として、他の取引所では通常四半期ごとに提供されている月次取引が12回になり、ヘッジの柔軟性が高まるとともに、決済の機会がより頻繁に提供される。
- 受渡し:参加者はまた、満期まで契約を保有する場合、ポジションを相殺するか、いずれかの形態の金属の受渡しを選択することができる。受渡しが必要な場合は、インゴットだけでなく、インゴットとスポンジ(粉末状の純金属)の両形態のプラチナとパラジウムも受入れられる。
- スポンジの受け渡し:スポンジの受け渡しが可能になれば、自動車メーカーだけでなく、PGMsの工業用ユーザーにとっても、製造目的に通常使用される主な形態であるスポンジの受け渡しが可能になり、大きな変革がもたらされる可能性がある。
- GFEXの新先物:GFEXの新先物がもたらすその他のメリットとしては、市場に参加する企業が価格リスクをヘッジし、経営をよりよく管理するためのメカニズムを提供することが挙げられる。
- 商品先物取引:商品先物取引で商品価格の変動リスクをヘッジする方法。これは、スイスの市場価格と東京の市場価格が連動して動いているおり、流動性が非常に高いことが前提である。
【原油】米国のエネルギー消費の歴史的変遷と動向
- 直近の原油価格
- 米国のエネルギー源の動き
- 2023年の米国エネルギー消費:2023年に米国で消費された熱量は2022年比▲1%減の94兆英熱量単位(Quadrillion British Theral Units)であった。化石燃料(石油、天然ガス、石炭)は、2023年の米国の総エネルギー消費のほぼ83%を占め、残りの17%は再生可能エネルギーと原子力による非化石燃料エネルギーであった。
- 米国のエネルギーの変遷:独立宣言が署名された1776年当時、再生可能エネルギーである木材は、米国最大のエネルギー源だった。暖房、調理、照明に使われた薪は、石炭が薪を追い越す1800年代後半まで、米国最大のエネルギー源であり続けた。
- 水の利用:初期のグリスト、製材、その他の製粉事業への水の利用は、定量化されておらず、今回のデータには含まれていないが、そのような製粉所は米国の初期の歴史を通じて一般的であった。米国で最初に水力発電が工業的に利用されたのは、1880年にミシガン州グランドラピッズの椅子工場でランプを点灯させるためであった。
- 再生可能エネルギー:再生可能エネルギーが米国のエネルギーの中で再び重要な位置を占めるようになったのは、最近のことである。バイオ燃料は2016年、木材を抜いて米国で最も消費される再生可能エネルギー源となった。
- エタノール・再生可能ディーゼル:1980年代、米国では石油ガソリンにエタノールを混合したものが消費されるようになり、その後バイオディーゼルや再生可能ディーゼルが石油ディーゼルに混合されるようになった。再生可能ディーゼルは石油ディーゼルの代替となりうるが、石油ディーゼルに混合できるバイオディーゼルの量は化学的な違いによって制限される。
- 風力発電や太陽光発電:風力発電や太陽光発電のようなゼロ炭素電源による発電は、近年急速に増加している。
- 原子力:米国の原子力エネルギー消費は1950年代後半に始まり、2000年代前半以降はほぼ一定している。
- 石炭:石炭は、1885年から石油が追い越す1950年までの約65年間、米国の最大のエネルギー源であった。初期の石炭の用途には、家庭暖房用のストーブや、列車や船舶の輸送用エンジンなど、今では一般的でないものも多く含まれていた。
- 石油:石油は、1950年以来変わらず、米国で最も消費されているエネルギー源である。ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、プロパンなどの石油製品は、輸送から工業用化学製品、プラスチックに至るまで、現代の米国経済のあらゆる分野で一般的に使用されている。
- 天然ガス:天然ガスは、1958年に石炭を抜いて以来、ほとんどの年でそうであるように、国のエネルギー消費の第2位を占めている。天然ガスは、かつては原油生産の副産物として扱われていたが、今では暖房や発電に使われる一般的なエネルギー源となっている。
【出演者】
- 解説:近藤雅世(コモディティーインテリジェンス代表)
近藤雅世氏のコモアイレポート(初回30日間は無料で配信)
http://commi.cc/service/index.html
大阪取引所「北浜投資塾」に公開されている「金の基礎知識」に近藤雅世が講師として出演しています。
『金の基礎知識』北浜投資塾 - 大阪取引所(日本取引所グループ)
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/tag/15.html
日経電子版特設サイト「コモディティー投資の魅力」
https://ps.nikkei.co.jp/ose2020/index.html
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