【金】金ETFが6ヵ月連続で増加!流入を支える地域別の動向は? 【白金】水素燃料電池のコストを削減する秘策とは?~ジョンソンマッセイの水素事業②

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2024年12月9日のGold-TV netは、コモディティーインテリジェンスの近藤雅世さんが今週の展望と注目ポイントを、独自の視点で徹底的に解説します。

 

 

コンテンツ

【金】金ETFが6ヵ月連続で増加!流入を支える地域別の動向は?

  • 直近の金価格
  • 近代の金の歴史 ⑨ 第一次世界大戦と金 その5
  • 10月の世界の金ETFの動き 

 

 

6ヵ月連続の資金流入が続く

  • 10月の金ETFは+43トン(+43億ドル)の資金流入を記録。
  • これにより、総保有量は3,244トン、運用資産総額は2,860億ドルと過去最高を更新。
  • 2024年の年初来では、総保有量が+18トン増加し、年初来で初のプラス成長に転じた。

地域別の動向

  • 北米:資金流入が続き、10月は+27億ドルと、4ヶ月連続の増加。背景には、米大統領選の不透明感、軍事的緊張(中東や北朝鮮の動き)、「取り残される不安」が影響。
  • アジア:+21億ドルの資金流入で、20ヶ月連続の増加。中国主導の流入が顕著で、国内の金価格高騰や景気刺激策が後押し。インドも、金利調整の影響で資金流入が継続。
  • その他の地域:+6,800万ドルの資金流入。オーストラリアと南アフリカが流入を支え、豪ドル安や利下げ期待が要因。
  • 欧州:唯一の流出地域で、-5.63億ドルの流出。理由は、欧州の利回り上昇や為替の影響が背景。過去は英国の流出が目立ったが、今回は欧州全体で資金流出が見られた。

まとめ

  • 金価格の高騰が資金流入の大きな後押し。2024年に入り、金価格は+33%急騰。
  • 世界の景気不安や軍事的緊張の高まりが金の需要を後押し。
  • 米連邦準備制度(FRB)の金利動向や大統領選の不透明感も、投資家の金需要を高めた。
  • 北米・アジアの流入が世界の金ETFを支える一方、欧州は唯一の流出地域に。
  • 年初来で+18トンの増加を記録し、2024年の金ETFは初のプラス成長に転換。
  • 地政学的リスク、選挙不安、利回りの動向が金需要のカギとなっている。

 

 

【白金】水素燃料電池のコストを削減する秘策とは?~ジョンソンマッセイの水素事業②

  • 直近のプラチナ価格
  • JM社の水素事業(2)

 

 

水素インフラの拡大

  • 輸送手段の選択:水素をそのままパイプラインで輸送するか、アンモニアやメタノールなどのキャリアに変えて輸送するかの2つの方法がある。
  • 輸送の課題:液体水素は超低温が必要で、船舶輸送はまだ実用化が進んでいない。
  • アンモニアの活用:アンモニア輸送は既に確立された技術があり、使用地で水素に再変換する手法が検討されている。
  • グリーン水素:再生可能エネルギーから生成され、オーストラリアやブラジルが有望な生産拠点。技術はまだ発展途上だが、触媒の改良や電解槽の自動化が進展している。
  • ブルー水素:JMはメタノール生産技術を応用し、ブルー水素プラントの製造技術を確立。プラントの量産化や設計の標準化を進め、コスト削減を図っている。
  • 重機車両の活用:バッテリーが非効率な重機車両では、水素燃料電池が有力な選択肢。
  • 技術開発の焦点:燃料電池の効率向上やコスト削減が進行中。特に触媒被覆膜のコスト削減が鍵。
  • 水素ステーションの整備:トラック輸送のための水素充填ステーションの整備が必要で、鶏と卵の関係が課題。初期のステーション稼働が重要視されている。
  • 規制の影響:水素関連インフラの整備は政治的・規制的な要因が大きいとされている。

地域ごとの水素経済の動向

  • 米国:インフレ抑制法 (IRA) により水素生産が推進され、低コスト生産による市場の自律的拡大を目指している。
  • ヨーロッパ:生産と消費のバランスが重視されており、2030年までに産業用水素の42%をグリーン水素にする義務を課している。水素利用のプロジェクトが進展中。
  • 中国:水素生産と利用を切り離して進めており、クリーンでない水素も活用。水素燃料電池車の大半が中国にある。

今後の展望とJMの戦略

  • サプライチェーンの課題:水素産業の急成長に伴い、白金族金属などの原材料調達が課題に。JMはこれに対応するため、サプライチェーンの確保に注力している。
  • 技術協力:JMは電解槽メーカーと提携し、触媒の改良や電解槽の共同開発を行い、生産効率を高めている。
  • 水素オークション:水素の販売方法を見直す取り組みが進行中。

ジョンソン・マッセイ社は、ブルー水素の量産化技術やグリーン水素の触媒改良を進める一方で、輸送手段の多様化(液体水素、アンモニア)にも注力。各地域の異なるアプローチ(米国は生産、EUはバランス、中国は活用重視)を踏まえた事業展開を進め、燃料電池や電解槽の自動化とコスト削減を推進している。

 

 

【出演者】

 

近藤雅世氏のコモアイレポート(初回30日間は無料で配信)
http://commi.cc/service/index.html

 

大阪取引所「北浜投資塾」に公開されている「金の基礎知識」に近藤雅世が講師として出演しています。

『金の基礎知識』北浜投資塾 - 大阪取引所(日本取引所グループ)
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/tag/15.html

 

日経電子版特設サイト「コモディティー投資の魅力」
https://ps.nikkei.co.jp/ose2020/index.html

 

 

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